この2月に統計局のHPで2015年家計調査報告(家計収支編)速報が公開されていました。
ここ10年で見ても消費に全く金が回っていないので、なかなかこの先も含めて厳しいな(特に私も属する製造業)と改めて感じる内容です。
家計収支の概要
家計収支の概要としては、二人以上の世帯の消費支出が前年に比べ名目1.3%の減少(実質では2.3%の減少)となり、2年連続の減少となっています(下図:消費支出の対前年増減比率(2人以上世帯))。
年齢別でみると高齢者ほど消費を減らしており、40歳未満世帯の消費支出の実質前年比が-0.5%に対して、60歳以上世帯では-4.3%。
マイナス金利で預金利子が付かなくなっているので、今年はますます孫への小遣い支出も減るんじゃないのかな。
二人以上の世帯のうち勤労者世帯の実収入(世帯員全員の現金収入の合計)は,前年に比べ名目1.1%の増加,実質0.1%の増加。
勤労者世帯も、入ってくるモノがなければなかなか財布の紐もゆるみません。
消費支出の増減内訳
二人以上の世帯の消費支出を10大費目別にみると、交際費などの「その他の消費支出」「教養娯楽」「交通・通信」「被服及び履物」「家具・家事用品」「保健医療」「食料」「住居」及び「教育」の9費目が実質減少。
実質減少率の大きいものを細かくみると「和服」-27.3%、「教養娯楽用耐久財」-22.7%、「下着類」-12.1%、「保険医療用品・器具」-8.5%、「家具」-7.2%、「家事サービス」-7.2%、「シャツセーター」-7.1%といった感じ。
対前年比なので、(前年が絶好調などで)そのままの数字で受け取ると印象を誤る場合もありますが、衣服、教養娯楽用耐久財(テレビ・音響映像機器・パソコン・カメラ・ゲームなど)、家庭用医薬品などの業界は総じて厳しい。
賢く使う世の中に
我が家の2015年の家計決算については、投資ブログの方でまとめていますが、支出総額は前年比-4.6%と減っていました。

ただし、使う所には使っている(教養娯楽費は前年比+9.2%)ので単純に消費を減らしている訳ではありません。本当に必要と思うものに「賢く使う」という方向に世の中が変わってきているのは確かでしょう。
スマートフォンのイノベーションの例
また、スマートフォンというイノベーションが、ある意味破壊的で、テレビも、音楽映像機器も、パソコンも、カメラも、ビデオも、ゲーム機器も全て取り込んでしまいあっという間に時代遅れにしてしまった感があります。
消費者の側としてはそれで何も困らないし、便利になって非常にありがたいのですが、メーカーの側としてはとしては非常に厳しいなぁと。
同じ事が他の業界でもあり得るでしょう。やはり装置産業は柔軟に小回りを効かせるのは難しいです。中小企業だと尚更。
今の給与収入1本に頼らなくても良いように、分散投資の種まきはしっかりしておこうと思います。
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